日本の主権尊重を

 

(Westerdamの受け入れを否定するグアム地方政府の声明)
 
アメリカ人の乗客が東京のアメリカ大使館に連絡をとったのをきっかけに、アメリカ政府や企業が、横須賀の米軍の助けを借りてアメリカ人乗客を救出するのではないか、とする情報が出ています。

確かに船の上で過ごすのは苦痛だけれど、横浜には3,000人以上も隔離できる場所もない。そんな中、日本人と並んで多くの乗客を占めているアメリカ人の引き取りが、アメリカ自身の手で行われれば助かります。

ただ、日本政府はそこまで乗り気ではないようです。その理由も十分理解できます。外国の軍隊が首都のすぐ近くに展開し、乗客を選別する。しかもどうやってアメリカに連れ帰るのかもはっきりしない。

まず、日本人乗客の安全が確保できていない状況で、しかも他の国も乗客を移送できるのかも不明な状態で、アメリカの主張がいつでも受け入れられるわけではありません。

WHOは、確かに7日の記者会見で船上での様子を批判的に見ていますが、14日間隔離するという日本政府の方針を否定しているわけではありません。WHOは中国への渡航禁止について批判的でありながら、武漢での封じ込めは賞賛するなど、水際対策を否定しているとまではいえません。

中には、14日間の隔離さえ一切不要で、完全に解放しても大丈夫だとする専門家もいるようですが、WHOもそこまでの見解は示していないし、国民や政府内部での支持が得られないことには配慮すべきでしょう。

ダイヤモンド・プリンセスは一度沖縄で検疫を受け、その後、横浜に着いている状態です。そのためイギリス船籍ではありますが、乗客の取り扱いについてはWHOと協力しながら、日本政府が決定できると思われます。

一方で、一度沖縄で上陸許可を出してしまっている以上、最後まで責任を持って日本が付き合わなければならない存在ではあります。隔離や食料にかかった費用については、後日船会社と相談して支払いを請求できるかもしれませんが、とりあえずの緊急措置は日本が行わなければなりません。

この点で、次のウエステルダム号とは事情が異なります。
 



 

ウエステルダム号とは?寄港が拒否される理由とは?

 

(Iglu Cruiseより)
 
ウエステルダム(Westerdam)号は、2004年から使われている客船で、シアトルのホラント・アメリカ・ライン(アメリカ・イギリスの会社)によって所有されています。乗客・乗員は2,000人程度で、ダイヤモンド・プリンセスよりもかなり小さめです。

もともとこの船は、1月半ばにシンガポールを出航。2月1日に香港を出発し、フィリピン・マニラ、台湾を経由して沖縄を巡った後、九州の沿岸部を回って、中国・上海に上陸する予定でした。ところが、この予定は出航してすぐに崩れます。

マニラでは2月1日に、中国以外では最初のコロナウイルスの死者が発生。これを受けてフィリピン政府は中国全土だけではなく、香港とマカオからの外国人の入国を禁止し、船はとりあえず台湾に向かうことにします。この段階で解散地点は、上海から横浜に変わっていました。

いったんは台湾に上陸が許可されたものの、台湾も2月6日には国際クルーズ船の着岸を拒否することを決定し、ウエステルダム号は乗客を積み込んで再び海に出ることになりました。

ところが、今度は日本政府がコロナウイルスの患者がいる可能性があるとして入国を禁止し、領海に入らないように要請しました。このため、今度はアメリカ国務省が、太平洋上に浮かぶアメリカの自治領・グアムにウエステルダム号を受け入れるように要請します。

しかし、人口が16万人のグアムとしてはこれだけの人数を隔離できる設備があるはずもなく、知事は拒否。こうしてウエステルダムは行き場のないまま西太平洋をさまよっています。

無謀な航海計画

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