同じように成功をおさめてきたのが、女性ユニットのBLACKPINKです。BLACKPINKのコンセプトは簡単、女の子が憧れる女の子、ガールクラッシュ。

従来のK-POPガールズグループは、かわいさ、セクシーに注目しすぎて、女性の持つ強さを表現できない部分がありました。メンバーに整形をさせる、厚塗りの化粧、露出度の高い服装など、主に男性をターゲットにしたグループが多かったように思います。
 


 
しかし、これでは自立意識の高いアメリカやヨーロッパの女性たちをファンにすることはできません。BLACKPINKは、ゆくゆくは欧米へ展開することも視野に入れ、まずは強さ、しなやかさを求める女性たちをターゲットにした活動を続けてきました。

もちろん”キュート”を捨てたわけではなく、スピンオフ映像”BLACKPINK HOUSE”を公開するなど、男女両方に受け入れられる柔らかい雰囲気を持っています。

でも、水着でファンを増やしたり、セクシーなダンスで話題を呼ぼうとするようなことはなく、楽曲でもあくまで女性が主人公の恋愛を描いてきました。また、大量生産型のアイドルにするのではなく、それぞれのメンバーの個性を活かしているのも特徴です。

日本の例も入れてみると、新しいカスタマーを作り出し、従来とはまったく違う方法でファンを獲得したのがBABYMETAL(ベビーメタル)です。真面目とされるメタルファンと、可愛さだけに注目するアイドルファンは、絶対に相入れない存在だと思われてきました。

しかし、BABYMETALは日本のアイドル文化を、メタルの音楽と結合。新たな価値を作り出し、アイドルファンとメタルファンの両方を味方につける新規性を持っていました。
 



 

カスタマー・チャンネル選びを間違えると…

もちろん、すべてのアイドルグループがこのプロセスを上手く乗り越えているわけではありません。ここでは極端な失敗例をあげるのではなく、これだけ有名なグループや事務所でも間違えることがある、という事例をご紹介したいと思います。

ユビン、ソンミ、ヒョナなど有名シンガーを生んだ女性グループ、ワンダーガールズはJYPから2007年にデビューしました。最初は多くのハードルがあったものの活動は徐々に安定し、08年にはアメリカ全土でツアーを開催してそれなりに注目されました。

ところが、その後、ワンダーガールズ(WG)の存在感はどんどん薄れてしまいます。WGがアメリカで活動している頃、韓国ではSMから少女時代がデビューし、韓国のファンたちをすべて掴んでしまいます。

WGはその一方で、韓国での活動をおろそかにしており、本拠地を失ってしまうことになりました。しかも、まだアメリカではK-POPを受け入れる土壌が整っておらず、こちらでも活動が伸び悩むようになってしまいました。

WGのアメリカ進出という目標自体は悪くありませんでした。しかし、メンバー9人中4人がアメリカ国籍を持つ少女時代の方が、まだアメリカではK-POPが受け入れられないことを理解し、韓国での活動に集中して成功したのは皮肉なことでした。
 


 
2015年にJYPからデビューしたTWICEは、メンバー9人中3人が日本人で、日本でのヒットを目標としてきました。そして実際、日本では多くの熱心なファンを抱えています。

しかし、現在K-POPは東南アジア、さらにはアメリカやヨーロッパでも広がりつつあります。可愛さ、セクシーさを前面に打ち出したTWICEは、日本では圧倒的な人気を誇っているものの、他の地域ではBLACKPINKにかなり見劣りがする状況です。

どこがこれから重要なマーケットになるのか。誰がこれから音楽の人気を決める存在になるのか。そうしたカスタマーの選び方が何より大切です。
 



 

ファンをどう育て、パートナーにするか

ファンは獲得するだけではなく、育てないといけない、というのがアイドル業界では常識になりつつあります。この分野では特に、日本が進んでいます。

もともとアングラなイメージが強かったアイドルの周りに、ファンのコミュニティができ、その集団がどんどん広がって、情報を共有していく、という良い循環が生まれ、そこからAKBをはじめとする様々なアイドルグループが生まれています。

BTSは、そうしたファンダムの文化が強いグループです。時々、過激なBTSファンの行動が問題視されることがありますが、大半のARMYはそうした行動は慎んでいます。そうした行動の自制に役に立つのが、ファングループ(コミュニティ)です。

BTSは、韓国、日本を中心にいくつかの大きなコミュニティを持っています。このコミュニティは、創設者を除いては基本的には平等なシステムで、過激な行動をしないようにルールを決めたり、コンサートやテレビ出演などの情報を共有しています。

このコミュニティには短所もあります。例えばメンバーのスキャンダルが発覚した時など、コミュニティ全体がファンをやめてしまうことがあり、そうした場合にはBTSにとっては大きな損失となります。

それでも、たいていの場合にはコミュニティはグループを熱心に支え、広告宣伝料を使うことなく、どんどん自発的に情報を拡散してくれる存在です。例えば、US BTS ARMYは、アメリカのARMYの非公式の集団で、BigHitとなんら関係がないにも関わらず、Twitterでは50万を超えるフォロワーを持っている超有名なコミュニティです。
 

 

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