一方、ガールズユニットの場合にはコミュニティが育ちにくいですが、BLACKPINKにはまた違ったファン文化があります。それが、ファンカムとオリジナルミックスです。

ファンカムについてはご存知の方も多いと思いますが、コンサートやテレビ収録でのパフォーマンスの様子を撮影し、YouTubeに投稿するもの。K-POPユニットはどこでもこのファンカムの文化がありますが、BLACKPINKのファンは特に高級な撮影資材を使っており、それぞれのメンバーにフォーカスした映像が数多く公開されています。

それに対してオリジナルミックスは、ファンがBLACKPINKの楽曲に自分で映像をつけたり、曲自体を編集してまったく新しい曲を作ってしまったりすることです。例えば、BLACKPINKの熱心なファンであるJANNYは、多くのミックスを公開しており、登録者数は40万人を超えています。
 

 
こうした映像は著作権を侵害している場合があり、BLACKPINKとしては公式には認めづらい存在です。それでも基本的には削除を依頼することなく、ファンが自発的に創作し、公開し、さらにファンの結束を強めていくことを許容しています。
 



 

ファンダムを作れないと…

全体を批判するわけではありませんが、ファンを獲得する機会を自ら狭めてきた典型例が、日本のジャニーズでしょう。優れたアーティストが多数在籍しているにも関わらず、ジャニーズは長い間、テレビなどにすら写真や映像の提供を拒否し、YouTubeに出演するなどもってのほか、という態度を取ってきました。

こうした姿勢はアイドルを神秘的な存在にして、ファンを熱狂させるのには役立ちましたが、若い層、あるいは海外でファンを広げられない問題を抱えてきました。コンサートの観客の多くが40代以上という事態に直面して、ジャニーズはようやくコンテンツをかなり公開するようになり、アーティストの個人的な発信も認めるようになりました。

しかし、このジャニーズの閉鎖的な姿勢は日本の他のアイドルにも強い影響を与えており、ガラパゴス化に繋がってしまったといえるかもしれません。

韓国での失敗例といえば、MOMOLANDが挙げられます。MOMOLANDは、2018年1月に『BBoom BBoom』をリリース、夏には『BAAM』を公開し、どちらもかなり注目されました。

ただ、MOMOLANDは万人受けするポップなアイドルを目指し、熱心なファンの獲得を怠ってしまいます。ファンクラブの設立が流れてしまったのは仕方ありませんが、メンバー同士の間に差を設けない、個性を前面に出さない、などの方針を貫いた結果、すぐに人気が失われてしまっただけではなく、メンバーの離脱すら招いてしまいました。

思い切った方法、時には著作権に糸目をつけない、メンバーの間の人気の差を認めるなど、ファンが定着しやすい雰囲気を作ることが、アイドルやプロデューサーにとっては欠かせないことだといえるでしょう。

ビジネスでも重要なことですが、カスタマー(お客さん)とどのような関係を築くのか、どうやってカスタマーをパートナーにするのか。これがとても大切になっています。
 



 

スキルを活かしてファンに、社会に何が提供できるのか

イケメンや美人なら、世の中にいくらでもいます。多くの美男美女がアイドルになりたいと思って激しい競争に挑み、そして少数だけが限られた椅子を獲得し、その中でもさらに少しの人だけが大ヒットするアイドルになることができます。

韓国のアイドル志望者たちの中には、英語・中国語・日本語のトレーニングを受け、運動スキルを磨き、社交性を身につけ、知識も豊富な人がたくさんいます。しかし、それだけでは注目されることはできません。抜群のビジュアル、さらに様々なスキルを身につけ、そしてそれをアピールできなければ、勝ち残ることはできません。

多くのファンがいて、世界的に知られているアイドルグループを分析していると、メンバーの個性を活かしているか、社会に貢献していることが分かるはずです。

BTSのメンバーたちは、そこまで多様なスキルを身につけているわけではありません。ただ、社会のために何ができるかを常に考えて行動し、ファンだけではなく、それ以外の一般の人からの信頼も勝ち得ています。

例えば、BTSのアルバムやコンサートの名前には”自分を愛そう (Love Yourself)”といったメッセージが入っており、自信が持てない人たちの支えになろうとしています。また、ユニセフの大使としても活動し、2008年にはユニセフの総会でRMがスピーチをしています。
 

 
ブラックな産業というK-POPのイメージを一変させ、国際的な舞台で貢献できる存在であることを明らかにする。心からの誠意ある行動が、BTSの人気をさらに高めています。

また、世界的に人気になってからも常に韓国語で発信を続け、韓国の代表というステータスを保ち続けているのも特徴です。韓国政府からも、韓国文化を世界に広める大使として期待され、さらに強く”国”と結びついています。

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