疑惑の全貌と悲しいタイミング

しかし、なかなかその後の続報がなく、疑惑は立ち消えになったかと思われた。日本でもよくあることだが、韓国では警察が大手企業と密接な関係にあり、捜査が突然打ち切られたりすることもある。

11月3日には、11日にリリースされる1stアルバム『BLOOM*IZ』のメドレーが公開された。さらに、4日には「FIESTA MAP」というメルヘンな動画が公開され、11日のリリースまで様々なイベントが計画されていることが明らかにされ、ファンの期待は高まっていた。

少なくともMnetは、記念すべき1stアルバムのリリースが問題なく行えると信じていたようだ。このジジジ・ミュージックにも、11月7日に、カムバックショーが11日に行われることを知らせるプレスリリースが届いている。

さらに11月15日には、日韓同時にIZ*ONEの素顔を描いたとされる映画『EYES ON ME: THE MOVIE』が公開予定だった。まさに予定が盛りだくさん、IZ*ONEは今後少なくとも2週間は、日韓の芸能界の話題を独占できるはずだった。

しかし、IZ*ONEは別の意味で大きな話題を呼ぶこととなる。冒頭でも述べたように、11月6日、PRODUCE 48を指揮したカリスマPDのアン・ジュニョン氏が逮捕された。

これを受けて、まず『BLOOM*IZ』のカムバ活動の中止が決定される。また、映画についても日韓双方で公開が見送られることとなり、『BLOOM*IZ』自体のリリースも延期(事実上中止)となった。

後でも述べるように、この発表を受けて、IZ*ONEの解散・メンバー入れ替えを求める声も高まるのだが、何より真相を知らなければ先に進めないと考えるファンが多かった。そのため、11月11日に行われる警察の捜査結果発表に、大きな注目が集まっていた。

だが、発表は延期され、12日に。そして12日には、PRODUCE X 101の捜査結果が発表されたが、Mnetの運営会社CJ ENMの関係者を含め10人ほどを立件する予定、あとは徹底した捜査中、というだけにとどまった(Wow!Koreaから)。また、選考に落ちた出演者に対する事情聴取も予定されているという。

ただ、CJ関係者の立件が発表されたことで、これまでPRODUCEシリーズで莫大な利益を得てきたMnetが組織として不正に関わっていた可能性が出てきたし、少なくとも同様のオーディション番組のビジネスモデルが、今のままでは維持できないことは明らかになった。
 

 



 

IZ*ONEやX1の活動はどうなる?ファンの声は

こうしたカムバ、映画の中止についてファンの反発は大きい。私個人も、頻繁に最新のK-POP情報をチェックしているわけではないので、ここまでの大事になるとは考えていなかった。

しかし、この状況で果たしてカムバ活動ができるのか。サポートしようという声と同じくらい、「活動を休止するべきだ」「本来のメンバーを公開すべきだ」という主張が強い中で、メンバーをステージに出すことが良いとは思えない。

とはいえ、真相が完全に明らかになる前に解散を求める声が高まっているのは、いかがなものだろうか。筆者が恐れているのは、MnetがIZ*ONEやX1をさっさと解散させ、トカゲの尻尾切りのようなやり方で、また過ちを繰り返すことだ。

後でも少し触れるが、Mnetは韓国の芸能界全体に大きな影響を与えてきた。また、このブログを含めK-POPについての仕事を手がけてきた人間であれば、一度は関わったことがある、避けては通れない会社だ。

しかし、特に韓国では解散を求める声がかなり強いようだ。活動休止、メンバー交代を求めるのは、まだ穏健派といって良い。

スポーツソウル日本支局長慎武宏氏によると、韓国の大統領府にはIZ*ONEやX1など、疑惑に巻き込まれたグループのテレビ出演禁止を求める請願が出され、一部のIZ*ONEファンは解散を求めているという。

さらに、K-PLAZAの情報によると、韓国の一部メディアでは、IZ*ONEとX1の関係者が集まり、解散への手続きを始めていると報じている。これに対して、Mnetは否定する声明を出している。

自分で疑惑を引き起こしておいて、いちいち抗議している場合なのか、という話ではあるが、「解散手続きを進めている」という報道自体が、一部のファンの解散を声を受けてのものとも思われる。

気持ちは分からないでもないが、慎氏も言っているように、本来責任を負わされるべきなのはメンバーではなく、メンバーたちはむしろ被害者だ。

日本のネットにあふれる嫌韓的な声、この事件に乗じて民族差別をしようとする動きほど醜いものではないが、解散を求める声自体が、日韓関係の悪化に乗じて両国の交流を断とうとする勢力に利用されているような気がしてならない。

なお、Mnetはショーケースの中止に際して、「諸般の事情により韓国での放送自体が急遽中止となりまして、日本においても放送中止となりました。」とだけ述べている。

もちろん、日本子会社に問題があるわけではないが、韓国のMnet本体がしっかり説明責任を果たさなければ、12月4日に名古屋で行われるMAMAは、ファンの不信感が残ったMAMAの開催となるだろう。